活動報告

【女性委員会】
第10回「車座で学ぶ勉強会」~建築調停事件あれこれ~

講師 :宮下登久子さん(建築調停委員)
日時 :2月5日(土)午後1時半(1時間半)
建築調停にかかった実例をお聞きし、座談会方式でどんな事がトラブルの原因と

なるのか、どうすれば防げるのか、監理・施工の注意点を学びました。

その一部を感想と共に、ご紹介します。

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1.オープンシステムの個人住宅
○床板に隙間 → 施工の問題ではなく無垢材では年月の経過と共に生じうる
(山手西洋館_外交官の家などを参考)
○クロスの毛羽立ち → 健康に配慮した和紙のクロスのために生じうる
○建具に隙間 → 無垢材(下地)が変形したため これは補修
●オープンシステムはとりわけ施工監理者の豊富な知識と指導力が重要
(施工計画・工程管理・品質管理・現場の安全)
 
2.ハウスメーカーの個人住宅 (1mモジュール)
○軒天の施工不良のための雨漏り…屋根瓦下地瓦座に破風板が取付けられて
 いた
○天井石膏ボードのジョイントに、下地として、本来は90.㎜の野縁を入れるべき
 だが45㎜の野縁をダブルで施工そのためクラック発生
 → ボードを逆方向から重ねて張り、クロスを張替え
●尺モジュールは、建材が尺合わせなので、無駄が省け、間違いを防ぎやすい
 のでは。反対に1mモジュールは広く感じられたり、トイレの有効幅を取るのに
 は便利という意見も
 
3.プレキャストコンクリートの個人住宅の屋根防水工事
○屋根の補修をして防水工事をした箇所が膨張→15年前は現在のメーカーの
 仕様と違ったため、間違った補修をしてしまった
●リフォームは現状がどうなっているかを(少し壊してでも)まず確認
●契約書類は詳細に…不備な場合の補償をどうするかも明確に
 
4.老朽ビルの明渡請求
  鉄骨に耐火被服なし 鉄骨腐食 外壁の処理に問題あり
  → 外壁崩壊の危険ありと警告
 
5.ログハウス…経験不足の施工から
○立地条件がログハウスに適当ではなかった
○予算不足
○技術不足(建設会社も下請けの建築士も未経験当初入る予定の指導員も
 入らず)
●無理な事は、はっきりと伝える
●追加工事(工事中の注文)も、金額をその都度しっかりと伝え、簡単でも書面に
 しておく。
  
幅広い知識を持つ事と見えない部分を洞察する事の重要性を感じました。
長年の経験や幅広い知識に基づいて、慎重かつ実際的なお話が興味深かった
です。
聴衆のみなさんからも質問や意見が活発に飛び出し、それもまた参考になりま
した。
~(年長の)人には知恵があるではないか 長い日々には理解力が~