活動報告

【女性委員会】
第2回車座勉強会報告 2011年11月12日(土)PM1:30~4:30

テーマ:聴覚障がい者の日常生活
講師 :平岡利政さん(「千葉市中途失聴・難聴者協会」会長)
日時 11月12日(土)午後1時半~4時半
前回の「視覚障がい者の方たちの日常生活」に引き続き、今回は聴覚障がい者の方々がどんな不安を感じて生活しておられるのか、周囲はどんな手助けが出来るのか?お話を伺いました。


1.今年の震災で大変だったこと(非常時の課題)

○情報が入らない(外見からは障がいが分かりにくいのでサポートをしてもらえない。行政も居場所等を把握していない)
○連絡が取りにくい(普段通信に用いているFAXが壊れたり、メールがつながらない)
∴そのため必要物資が届かない。

2.少年時代からのエピソード

○小学4年生頃から徐々に聴力を失う。原因は不明。子供なので発見が遅れたが、早く耳鼻科に行けば回復したかも。
○小学6年生から補聴器を使う。でも調整が難しく先生が何を言っているのか理解できず、分からない授業を聞いている事が苦痛だった
→ 三人の家庭教師を頼み、筆談で(わらばん紙に書いて)教えてもらう
○中学時代 聞き取りが困難のため友達との会話が難しくなり、友達が離れていくように感じられた。
自分が何のために世の中にいるのかなぁ…と感じ、不自由さより精神面での痛手が大きかった。
→家族など支えてくれる人の存在、また同じ障害を持った仲間を知り自分ひとりではないと思った事が支えや助けに。
○大学時代 陸上部に所属。先輩・後輩に講義の内容をメモしてくれるように頼み、後はメモを見ながら自分で考えて補う。
○社会人時代 社長さんが丁寧に面接、採用。電話は取らなくてもよいとの配慮。(でも入社後、自分の机に電話が…)
上司から終わってからメモを渡すので会議に参加するようにと。でも会議中に意見が言えずただ座っているのは辛かった
会社内で他の人が担っていない分野を開拓(経理のプログラム作り)、そのノウハウを後輩に教え、反対に情報収集を頼む…という方法で仕事を行った。

3.困ること&助けになること

○聞こえにくいがまだ聴力が残っている難聴には、小さく聞こえる伝音性難聴と、音がゆがんで聞こえる感音性難聴がある。感音姓難聴の場合、声が大きければ聞こえるというわけではない。
補聴器を使う人には天井に埋め込む磁気ループが有効。
○最近は人工内耳の手術で聴力を取り戻す事も可能に。リハビリが必要だが水や時計の音まで聞こえるようになった。
○コミュニケーションの手段として唇の動きを読み取ったり筆談をしたりする人も多い。その場合、はっきり、ゆっくり話してもらうと良い。(ニュースのアナウンサーの速度) また略語や流行りの新語などを使わない方が理解できる。
病院などの受付で筆談可能のサインを提示したり、街中でも気軽に筆談をして貰えると助けになる。

4.参加して…感想

普段から、簡潔に分かり易く考えをまとめて話す事を意識し、手話が出来なくても気軽にサッとメモに書いて差し出す習慣を持ちたいと思いました。
平岡さんは優しい柔和な表情で、ご自分の経験や気持ちを丁寧に率直に楽しい口調で語ってくださいました。
その良い雰囲気が伝染して、気持ちが素直になり、後半の意見交換も話がはずんだように思います。
~愛は人を築き上げる(元気付け、活気付け、成長させる)~ 平岡さんと接して、今回はこの言葉が浮かびました。