２０１２年９月２１日（金）ＰＭ１：３０～　主催：女性委員会
普段なかなか見学ができない銀行の内部を見せて頂きました。お客様サービスとセキュリティに加え、地域に存在する建物としてあらゆる面から検討され、太陽光発電も屋上に乗っていて省エネに貢献していました。思わぬ屋上テラスでは、風がここちち良く通り抜けて行きました。13名の参加者があり、見学後、意見交換で盛り上がりました。

千葉建築探訪「京葉銀行　みどり台支店」

千葉支部　女性委員会では千葉市を中心に千葉県の優れた建築を確認する活動をしています。
今回の千葉建築探訪では２０１１年に創設された「千葉市都市文化賞」建築部門の優秀賞を受賞した「京葉銀行　みどり台支店」を見学することができました。
講師は設計を担当された(株)潮建築設計事務所の星野さんと加藤さんにお願いしました。
また、京葉銀行さんのご厚意で業務後に内部も見せて頂きました。支店は京成みどり台駅から千葉大正門に向かう通りに面しています。設計にあたっては京葉銀行から３点の希望が出たそうです。

１、街にやさしい
２、人にやさしい
３、自然エネルギーにやさしい建物を

１に関しては、東西の道路に接した敷地条件から、東西の道路を地域住民が自由に行き来できる庇付の通路を設けました。また、開業時間内にお客さんや通路を通行する人が使える多目的トイレを駐車場側入り口風除室に設けています。
２に関しては、千葉県福祉まちづくり条例に基づいて設計し、適合証も交付されています。
３に関しては、１０KWの太陽光発電パネルを設置し、ＡＴＭのある風除室で発電量をモニター表示しています。１階は複層ガラス、２階は熱吸収シートをサンドした合わせガラスで夏場の日射を抑えています。ダウンライトはＬＥＤ、主照明は高耐久蛍光灯を使用しています。


２階部屋床はカーボンオフセットのタイルカーペットを使用しています。
みどり台支店の名にふさわしい緑色のガラス面と通路庇を支える列柱は担当した星野さんが設計にあたって大切に考えている植栽とともに、街の景観に貢献しています。
植栽の管理は費用がかかりますが、社会の経済状況では管理に掛ける費用は抑えられます。
この建物では庇からの雨水を列柱に組み込まれたコの字型オープン樋から植栽に与える工夫がなされています。正面入り口の円柱にも同じような装置が作られ、円柱下の植栽を潤しています。


講師２名と参加者１３名の見学後に開催した意見交換会では、設計趣旨や各過程の話とともに、建物メンテナンス等に関する意見が交換されました。
建築物が消費され、経済的な観点のみで語られている現在、担当設計者として適切にメンテナンスがなされていない状況を見るのはつらいことですが、引き渡し後の設計者には何の権限もありません。
そこで、星野さんからメンテナンスを適切に行っている建築に対し、賞を贈ってはどうかと言う提案がなされました。画期的な提案です。建築士会でも具体的に検討していただけることをお願いします。